相続手続きの流れ|親の相続で何から始めるか整理

親の相続手続きを落ち着いて調べ、書類を整理する40代のイメージ(フラットイラスト)

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親が亡くなった、あるいはいずれそのときが来る――そう考えたとき、「相続手続きって、結局何から始めればいいんだろう」と手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。離れて暮らしていると、なおさら実感が湧きにくく、いざというときに何をどう調べればいいのかわからなくなりがちです。

私自身が相続を経験したわけではありません。ただ、いつか向き合うことになると感じ、公式情報や制度を調べて整理しました。この記事は、その整理の記録です。

最初にお伝えしておきたいことがあります。この記事は、税金や登記、法律について「こうすれば得です」「こうすべきです」と個別の判断をするものではありません。最終的な判断は、必ず税理士・司法書士・弁護士など専門家に相談してください。この記事の役割は、相続手続きの全体像を整理し、相談先の当たりをつけるための入口を示すことです。

この記事を読むと、次の3つがわかります。

  • 相続手続き全体の流れと、大まかな全体像
  • 期限のある手続きにはどんなものがあるか
  • 何を、どの専門家に相談すればいいか
目次

相続手続きの全体像――誰が・いつ・何をするのか

相続手続きの流れをはじめて調べると、「専門用語が多くて何から手をつければいいかわからない」と感じる方が多いようです。私も同じように感じたので、まずは全体を大きく整理することから始めました。

相続でやることは、大きく3種類に分けられる

相続手続きの流れを調べていくと、やるべきことは大きく次の3種類に整理できることがわかりました。

  • 財産と相続人の把握:誰が相続人で、財産(プラスもマイナスも)がどれだけあるかを確認する
  • 名義の変更:不動産の相続登記、預貯金の名義変更・解約など
  • 税金の申告:準確定申告、相続税の申告(必要な場合)

大まかな流れ――生前の準備から名義変更・申告まで

親の相続で何から始めるか迷ったときの目安として、一般的な流れを整理すると次のようになります。

  • 生前の準備(財産の把握、家族との話し合い)
  • 相続の発生(死亡届の提出など)
  • 相続人・相続財産の確定(戸籍の収集、財産目録の作成)
  • 遺産分割の話し合い(遺言がない場合)
  • 名義変更・各種申告(相続登記、相続税申告など)

この順序や、それぞれにかかる時間・要否は、家族構成や財産の内容によって家庭ごとに異なります。ここで整理しているのは、あくまで一般的な流れとしての目安です。

また、実家に不動産がある場合は、この「モノと名義の整理」と並行して、実家をどう整理していくかという生前整理の視点も欠かせません。生前整理の具体的な進め方は【親が元気なうちに】実家の片付け・生前整理完全ガイドで詳しく整理していますので、あわせて参考にしてください。

期限のある相続手続き――まず押さえておきたい4つ

相続手続きの流れを調べていて痛感したのは、「相続は期限で動く」ということです。何から手をつけるか迷ったときほど、まず期限のある手続きから逆算して考えると整理しやすくなります。

ここでは、相続放棄の期限や相続税の申告期限など、期限が関わる代表的な手続きを一覧にまとめました。

手続き 期限(一般的な目安) 主な担当専門家 補足
相続放棄・限定承認 原則3か月以内(家庭裁判所へ申述) 司法書士・弁護士 起算日・例外・延長あり。要個別確認
準確定申告 4か月以内 税理士 故人に確定申告が必要な場合
相続税の申告・納付 10か月以内 税理士 基礎控除以下なら申告不要な場合も
相続登記(名義変更) 取得を知って3年以内(2024年義務化) 司法書士 過料の扱いは個別事情による

ご注意ください。ここに挙げた期限は、いずれも一般的な目安です。起算日の考え方や例外、延長の制度が関わってくることもあり、実際の期限や要否は家庭ごとの事情によって変わります。具体的な期限や対応については、必ず家庭裁判所・税務署・専門家に確認してください。

自分でやる?専門家に頼む?の判断軸

相続手続きのすべてを専門家に依頼する必要はなく、自分たちで進められる部分もあります。ここでは、あくまで一般的な目安として、判断の軸を整理します。

自分でできる範囲の一般論

戸籍の収集や、金融機関でのシンプルな名義変更・解約手続きなどは、時間さえ確保できれば自分たちで進められることが多いようです。窓口で必要書類を確認しながら、一つひとつ対応していく形になります。

専門家に頼むサインになりやすいケース

一方で、次のようなケースでは、早い段階で専門家に相談したほうがスムーズに進むことが多いといわれています。

  • 相続財産に不動産が含まれている
  • 相続人の人数が多い、または話し合いがまとまりにくそうな空気がある
  • 相続財産の規模が大きく、相続税がかかりそう
  • 遠方に住んでいる、あるいは仕事などで時間の確保が難しい

これはあくまで一般的な目安です。あなたの家庭にとって、実際に専門家が必要かどうかの最終判断は、専門家に直接相談したうえで確認してください。

どの専門家に相談すべきか――役割の使い分け

相続の相談をどこにすればいいか迷う方は多いようです。相続に関わる専門家は役割が分かれているため、まずは大まかな使い分けを知っておくと、相談先を選びやすくなります。

司法書士――登記・名義変更(相続登記)

不動産の相続登記など、名義変更に関わる手続きは司法書士が専門としている領域です。相続登記は2024年から義務化されており、対応が必要な方も増えています。

税理士――相続税・準確定申告

相続税の申告や、故人の準確定申告など、税金に関わる手続きは税理士が専門としている領域です。相続税の申告が必要かどうかの判断も、税理士に確認するのが確実です。

弁護士――相続争い・遺産分割の調停や交渉

相続人同士で意見がまとまらない場合や、遺産分割について法的な交渉・調停が必要になる場合は、弁護士が専門としている領域です。

手続き代行・相談サービス――「どこに頼めばいいかわからない」ときの窓口

「そもそも誰に何を相談すればいいのかわからない」という段階では、相続手続き全般の相談を受け付けている窓口サービスを利用し、交通整理をしてもらう方法もあります。

ご注意ください。弁護士法・税理士法により、具体的な法律相談は弁護士、税務相談は税理士など、それぞれの相談を扱える専門家が法律で定められています。本記事は相談先を整理するための入口であり、法律・税務に関する個別の判断やアドバイスを行うものではありません。あなたのケースに応じた具体的な判断は、必ず対応する専門家に直接ご相談ください。

相談先の選択肢――どこに相談すればいいか迷ったら

ここまで見てきたように、相続手続きの流れの中では、場面ごとに相談すべき専門家が異なります。ここでは、「まずどこに相談すればいいかわからない」というときの窓口を、相談先の一例として紹介します。

「どこに相談すればいいかわからない」を解消する窓口

相続手続き全体について、まずまとめて相談したい場合は、相続に関する相談を幅広く受け付けている窓口サービスが選択肢になります。

戸籍集めから名義変更まで、手続きをまとめて任せられる窓口サービスもあります。資料請求や電話相談から情報収集を始めてみるのも一つの方法です。

税の相談先――相続税に対応できる税理士を探す

相続税の申告が必要かどうかも含めて、税金の相談は税理士の領域です。相続に対応できる税理士を紹介してもらえるサービスを利用する方法もあります。

税理士を探す方法として定番になっているのが、税理士紹介サービスです。相続に強い税理士を条件で絞り込んで紹介してもらえる仕組みが用意されています。

ご注意ください。ここで紹介した窓口は、いずれも相談先の一例です。無料相談や資料請求は情報収集の手段であり、依頼する義務があるわけではありません。複数のサービスを比較したうえで、ご自身に合う相談先を選んでください。なお、こうしたサービスの利用者の声を紹介する場合、この記事では出典が明記できるもの以外は扱いません。出典不明の口コミは信頼性が確認できないため使用しないという方針で整理しています。

不動産が絡む相続は――実家の扱いも並行して考える

実家や土地があるなら「不動産の扱い」も同時に整理する

相続財産に実家や土地が含まれていると、これまで見てきた手続きに加えて「その不動産をどうするか」という論点が新たに増えます。売る、貸す、住み継ぐ、手放すなど、選択肢は一つではありません。

実家の不動産をどうするかについては、選択肢の整理から相談先まで実家の不動産どうする?相続・売却・活用の選択肢で詳しくまとめていますので、実家に不動産がある場合はあわせてご覧ください。不動産の売却査定や相続税評価、借地権といった論点は、この記事では深く扱わず、上記の記事と不動産会社・税理士の領域として整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続税は誰にでもかかるの?

A. 相続税には基礎控除があり、相続財産の総額が基礎控除の範囲内であれば申告が不要になる家庭も多いといわれています。ただし、財産の評価方法や控除の適用条件は個々の状況によって異なるため、実際にかかるかどうかの判断は税理士や税務署に確認することをおすすめします。

Q. 相続放棄はいつまでにすればいい?

A. 一般的には「相続の開始を知ったときから原則3か月以内」といわれていますが、起算日の考え方や延長できる場合など、例外も存在します。迷った場合や期限が近いと感じる場合は、早めに司法書士・弁護士、または家庭裁判所に相談することをおすすめします。

Q. 相続登記をしないと罰則があるって本当?

A. 相続登記は2024年から義務化されており、期限内に手続きをしないと過料の対象になる場合があるとされています。ただし、具体的な適用条件や過料の扱いは個々の事情によって異なるため、断定はできません。詳しい内容は司法書士に確認してください。

Q. 相続手続きは結局、何から始めればいい?

A. まずは相続人が誰かと、財産(プラスもマイナスも)がどれくらいあるかを把握することが出発点になります。そのうえで、期限のある手続きから逆算して進めていくとわかりやすいと思います。何から手をつければいいかわからない場合は、窓口サービスや専門家に相談する方法もあります。

Q. 専門家に依頼する費用の目安は?

A. 依頼する専門家の種類や、財産の規模、手続きの複雑さによって費用には幅があります。断定的な金額を示すことはできませんが、多くの専門家・サービスには無料相談の窓口が用意されているため、まずは見積もりを取ったうえで比較・判断することをおすすめします。

まとめ――相続手続きは、まず全体像と期限を押さえることから

相続手続きの流れを整理すると、やることは大きく「財産と相続人の把握」「名義の変更」「税金の申告」の3種類に分けられます。そのうえで、相続放棄の期限、準確定申告、相続税の申告、相続登記といった期限のある手続きから逆算して動くと、何から始めればいいかが見えやすくなります。

そして、司法書士・税理士・弁護士はそれぞれ扱える範囲が法律で定められているため、「何を」「誰に」相談するかを最初に整理しておくことが、遠回りを避ける近道になると感じています。この記事はあくまで入口であり、最終的な判断は必ず専門家に相談してください。

実家に不動産がある場合は実家の不動産どうする?相続・売却・活用の選択肢を、親が元気なうちの準備については【親が元気なうちに】実家の片付け・生前整理完全ガイドを、あわせて参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

40代会社員。離れて暮らす高齢の親が心配で、見守りグッズ・宅食サービス・便利家電を片っ端から調べて試しています。専門家ではありませんが、同じ悩みを持つ方の判断材料になればと思い、調べたこと・使ってみた感想を正直に発信中。

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