高齢の親の冬の備え|寒さ・停電・灯油切れの安心対策

暖かい室内で毛布をかけた高齢の親がスマホで家族と話すイメージ

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寒さが厳しくなると、離れて暮らす高齢の親のことが気がかりになります。「石油ストーブを消し忘れていないか」「寒い日に停電したらどうするか」「灯油が切れていないか」——車で2時間離れた実家だと、様子が見えないぶん心配は尽きませんよね。

この記事では、離れて暮らす親の冬の備えとして、①暖房器具の事故を防ぐ基本(一酸化炭素中毒・火災・やけど・灯油)②停電や灯油切れへの備え③離れていても見守れる工夫を、消費者庁やNITE(製品評価技術基盤機構)の情報をもとに整理しました。冬を安心して越すための参考にしてください。

目次

高齢の親の冬に増える暖房器具の事故

NITEの2018年の公表(2013〜2017年度の5年間のデータ)によると、暖房器具による死亡事故のうち、年齢が判明したものの約7割(71%)が70歳代以上でした。事故は秋から増え、年末年始にかけて多くなる傾向も報告されています(出典:NITE)。だからこそ、寒くなる前に、離れて暮らす親の暖房まわりを一緒に点検しておくと安心です。

石油ストーブ・ファンヒーターの一酸化炭素中毒を防ぐ換気

石油ストーブや石油ファンヒーターは、締め切った部屋で使い続けると、不完全燃焼で一酸化炭素(CO)が発生することがあります。一酸化炭素は色やにおいがなく、濃度が高まると頭痛などから重い症状に至るおそれがあると注意喚起されています(出典:NITE)。

  • こまめに換気する……1時間に1回、5分程度窓を開けるなど、定期的な換気が呼びかけられています。
  • 屋内用でない場所で使わない……屋内に張ったテントの中や車内での使用はしないでください。
  • 燃焼空気の取入口のほこりを取り除く……ほこりの堆積は不完全燃焼の原因になりえます。

もし頭痛や吐き気など体調の異変を感じたら、無理せず使用をやめ、医療機関に相談してください。意識がもうろうとするなど緊急時は119番へ。

暖房器具の火災・やけどを防ぐ

置き方・使い方のチェック

  • ストーブの周囲に燃えやすい物を置かない。近くで洗濯物を乾かさない。
  • 就寝前と外出時には必ず消す。つけっぱなしは火災のもとです。
  • こたつや電気ストーブも、布団や衣類が触れて起こる「ゼロ距離火災」、消し忘れによる「ほったらかし火災」に注意が呼びかけられています(出典:NITE)。電気ストーブも火を使わないだけで、火災の原因になりえます。

着衣着火に気をつける

袖口やすそ、ストールなどがストーブの火に触れて衣服が燃える「着衣着火」にも注意が必要です。消費者庁は、火源に近づきすぎないこと、袖口やすその広い衣服を避けること、防炎製品を活用することを呼びかけています。着衣着火では高齢の方の割合が高いと報告されています(出典:消費者庁)。

石油ストーブの安全チェック

消費者庁は、石油ストーブを使う前の確認として次の点を挙げています(出典:消費者庁)。

  • 内部のほこりを取り除く
  • 対震自動消火装置が正しく働くか確認する
  • 給油口の蓋を確実に閉め、油漏れがないか確認する
  • 壁や燃えやすい物との距離を十分にとる

灯油の保管と給油の注意

灯油の扱いにも、見落としがちな注意点があります(出典:NITE)。

  • ガソリンと間違えない……ガソリンを石油ストーブに誤って入れると火災につながります。灯油は認証ラベルのある専用容器に入れ、ガソリンとは別の場所に保管します。
  • 給油は必ず火を消してから……給油後は蓋を確実に締め、漏れがないか確認します。
  • 古い灯油を使わない……シーズンをまたいだ古い灯油は不具合の原因になることがあります。新しい灯油を使いましょう。

離れて暮らす親にとって、重い灯油の運搬や給油は負担になりがちです。灯油の配達サービスを利用できないか、一緒に調べておくのもおすすめです。

停電・灯油切れへの備え

停電で使えなくなる暖房に注意

見落としがちなのが、石油ファンヒーターは電気で動くため、停電すると使えなくなるという点です。ファンや点火に電気を使うためです。電気を使わない反射式・対流式の芯式の石油ストーブは停電時も使えますが、その場合も前述のとおり換気は欠かせません。寒冷地では、停電時に暖をとる手段を一つは用意しておくと安心です。

発電機・ガス機器を屋内で使わない

停電対策として発電機を考える方もいますが、発電機は屋内では絶対に使用しないでください。排ガスに含まれる一酸化炭素で中毒になるおそれがあり、死亡事故も報告されています。車内やテント内での使用も同様に危険です(出典:NITE)。また、カセットボンベは高温になる場所や火気の近く・直射日光の当たる場所に置くと破裂・引火のおそれがあるため、保管場所に注意してください(出典:NITE)。ガス機器を室内で使うときは、こまめな換気を心がけましょう。

寒さと停電に備えるグッズ

暖房に頼れないときのために、次のようなものを用意しておくと安心です。

  • モバイルバッテリー……停電時でもスマホの充電を保ち、家族との連絡手段を確保します。
  • 充電式の湯たんぽ・乾電池……蓄熱式の湯たんぽは、停電前に充電しておけば電気なしで暖がとれます。
  • 着る毛布・厚手の防寒着……室温が下がったときの備えに。

※モバイルバッテリーは、充電中の発火事故が報告されています。就寝中や目を離すときの充電は避け、寝具の上では充電しないでください。膨らみ・変形や、充電中に以前より異常に熱くなるなどの異常があれば、使用を中止しましょう(出典:NITE)。

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※湯たんぽは、長時間同じ場所に肌が触れると低温やけどのおそれがあります。就寝時は布団を温めたら布団から出し、体に長時間密着させないようにしましょう。専用カバーで包んでいても油断は禁物です(出典:NITE・消費者庁)。

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※着る毛布は、ストーブなどの火に近づくと着衣着火のおそれがあります。暖房器具の火の近くでは使わず、すそや袖が火に触れないよう注意してください(出典:消費者庁)。

停電そのものへの備えとしては、ポータブル電源も選択肢です。容量の選び方は高齢の親の防災にポータブル電源を備える選び方でくわしく解説しています。防災グッズ全般は一人暮らしの高齢者に必要な防災グッズもあわせてどうぞ。

灯油切れを防ぐ

寒波が来る前に、早めに灯油を購入して残量を確認しておきましょう。離れて暮らす場合は、帰省のタイミングでまとめて手配したり、配達サービスを使ったりすると、灯油切れで寒い思いをさせずに済みます。

離れて暮らす家族ができる冬の見守り

離れていても、冬の室内の様子を気にかける方法があります。室温センサーを備えた見守り機器のなかには、室内の温度データを家族がパソコンやスマホのアプリで確認できるものがあります。たとえば「アイシル(見守りプラス認知)」は、室温を含むデータをクラウドに蓄積し、家族が離れた場所から確認できる設計です(出典:アイトシステム公式サイト)。※寒さ(低温)のアラート通知の有無は機器によって異なるため、導入前に各公式サイトで機能をご確認ください。

あわせて、こまめな電話や、停電時の連絡ルール(モバイルバッテリーの用意・連絡手段の共有)を決めておくと安心です。見守りサービス全体の比較は高齢者見守りサービスおすすめ13社比較、入浴中のヒートショック対策は高齢者のヒートショック対策でまとめています。

見守りプラス認知のアイシルを公式サイトで見る

よくある質問

Q. 石油ストーブの換気はどのくらい必要ですか?

1時間に1回、5分程度窓を開けるなど、こまめな換気が呼びかけられています。屋内に張ったテントの中や車内での使用はしないでください。頭痛や吐き気など体調の異変を感じたら使用をやめ、医療機関に相談してください(出典:NITE)。

Q. 電気ストーブは火を使わないので、火事の心配はありませんか?

電気ストーブも、布団や衣類などの燃えやすい物に接触して火災の原因になりやすいと報告されています。周囲に可燃物を置かず、就寝前と外出時には必ず消しましょう(出典:NITE)。

Q. 灯油はどう保管・給油すればいいですか?

認証ラベルのある専用容器で、ガソリンとは別の場所に保管します。給油は必ず火を消してから行い、ガソリンの誤給油は絶対に避けてください。給油後は蓋を確実に締め、漏れがないか確認しましょう(出典:NITE)。

Q. 離れて暮らす親の冬の室温を見守る方法はありますか?

室温センサー付きの見守り機器のなかには、室内の温度データを家族がアプリで確認できるものがあります。こまめな電話とあわせると、より安心です。寒さの通知ができるかなど具体的な機能は、各公式サイトでご確認ください。

Q. 停電や灯油切れに備えるには?

モバイルバッテリーや乾電池を用意し、灯油は寒波の前に早めに購入して残量を確認しておきましょう。暖房に頼れないときのために、充電式の湯たんぽや着る毛布などの防寒グッズもあると安心です。なお、発電機は一酸化炭素中毒のおそれがあるため、屋内では使わないでください(出典:NITE)。

まとめ

高齢の親の冬の備えは、「暖房の安全確認(換気・火災・灯油)」と「停電・灯油切れへの備え」、そして「室温の見守り」の三つで考えると整理しやすくなります。寒くなる前に、離れて暮らす親と一緒に点検して、あたたかく安心な冬を迎えましょう。

次に読む:ポータブル電源の選び方/高齢者のヒートショック対策

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この記事を書いた人

40代会社員。離れて暮らす高齢の親が心配で、見守りグッズ・宅食サービス・便利家電を片っ端から調べて試しています。専門家ではありませんが、同じ悩みを持つ方の判断材料になればと思い、調べたこと・使ってみた感想を正直に発信中。

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