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「親の介護が必要になったとき、どの施設を選べばいいのか、まったく分からない」
これは、私が親の将来を考え始めたときに感じた、正直な気持ちです。特養・有料老人ホーム・サ高住……施設の種類は多く、費用も条件もバラバラ。いざ動き出そうとすると、どこから手をつければいいか途方に暮れてしまいます。
私自身は介護施設を探した経験がありません。本記事は、公式情報・公的資料・国民生活センターなどの公開情報をもとに調べて整理したものです。専門家ではなく、同じ立場の40代として「まず知っておきたいこと」を届けるのが目的です。個別の介護度判定や「この施設が親御さんに合う」というご判断は、必ず地域包括支援センターやケアマネジャーにご相談ください。
📞 施設選びで迷ったら、まず無料で相談できます
地域包括支援センター(市区町村の高齢者相談窓口)やケアマネジャーは、施設の種類・費用軽減制度・探し方など幅広く無料で案内してくれます。「まだ必要かどうか分からない」段階でも相談できます(個別の空き状況は各施設にご確認ください)。お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
この記事では、介護施設の種類・費用・探し方・気をつけたい点を、公的情報をベースに整理しました。老人ホーム選びの「入口」として、ぜひ参考にしてください。
老人ホーム・介護施設の種類をまず整理する
公的施設と民間施設、大きく2種類がある
介護施設は大きく「公的施設」と「民間施設」に分かれます。公的施設は介護保険制度のもとで行政・社会福祉法人などが運営するもので、費用が抑えやすい一方、入居条件が厳しめで待機が長くなることがあります。民間施設は民間企業が運営し、費用は施設によって幅が大きいものの、入居条件が公的施設より柔軟なケースが多いです。
代表的な施設タイプは次の5種類です。それぞれ入居条件・介護体制・費用の性格が異なります。詳しくは後述の比較表をご覧ください。
- 特別養護老人ホーム(特養):公的。原則、要介護3以上で65歳以上が対象
- 介護付き有料老人ホーム:民間。施設内スタッフが24時間介護を提供
- 住宅型有料老人ホーム:民間。外部の介護サービスと個別契約
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):民間(賃貸住宅)。安否確認・生活相談が必須
- グループホーム:民間(地域密着型)。認知症の方を少人数で支援
介護度・認知症の有無によって選択肢が変わる
どの施設が選択肢に入るかは、親の要介護度や認知症の有無が大きな手がかりになります。たとえば特養は原則「要介護3以上」でないと申し込めませんし、グループホームは認知症の診断が入居の前提です。
ただし、特養は原則要介護3以上であっても、要介護1・2の方で認知症や家族の事情などやむを得ない理由がある場合は「特例入所」が認められることがあります(該当するかどうかの判断は市区町村・施設によります。出典:厚生労働省)。
また、「介護度がいくつだから◯◯施設」と一概には決まりません。本人の希望・家族の状況・地域の空き状況などを総合的に判断する必要があり、その判断はケアマネジャーや地域包括支援センターと一緒に行うのが現実的です。
施設タイプ別 比較表(特養/介護付き有料/住宅型有料/サ高住/グループホーム)
主要5タイプを以下の表にまとめました。費用は施設・地域によって大きな幅があります。民間施設の月額・初期費用については公的な一律統計が存在しないため、「施設ごとに必ず確認」が前提です。特養の費用のみ、公的データから目安を示しています(出典は表下の注記を参照)。
| 施設タイプ | 分類 | 主な入居条件 | 介護体制 | 費用の目安(月額) | 向いている人の例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム (特養) |
公的 | 原則、要介護3以上・65歳以上。40〜64歳でも特定疾病があれば対象になりうる(※1) | 常駐介護・看取り対応施設も多い | 多床室 約11万円/ユニット型個室 約15万円(要介護5・1割負担目安。補足給付適用前)(※2) | 費用を抑えたい方・中〜重度の要介護者 |
| 介護付き有料老人ホーム | 民間 | 施設によって自立〜要介護まで幅がある。「特定施設入居者生活介護」の指定施設(※3) | 施設スタッフが24時間介護を提供 | 施設・地域で幅が大きく公的統計なし。入居前に各施設へ要確認(※4) | 手厚い介護を安定して受けたい方 |
| 住宅型有料老人ホーム | 民間 | 自立〜要介護まで。特定施設の指定を受けていないため外部介護サービスを個別契約(※3) | 外部の訪問介護等を個別契約。介護度が上がると費用が増えやすい | 施設・地域で幅が大きく公的統計なし。入居前に各施設へ要確認(※4) | 自由度を保ちたい方・比較的軽度の方 |
| サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住) |
民間(賃貸住宅) | 原則60歳以上の高齢者。要介護認定は必須でない。都道府県知事等への登録が義務(※5) | 安否確認・生活相談が必須。介護サービスは外部との個別契約 | 施設・地域で幅が大きく公的統計なし。入居前に各施設へ要確認(※4) | 自立度が高く、見守りを求める方 |
| グループホーム (認知症対応型共同生活介護) |
民間(地域密着型) | 要支援2以上(介護予防)または要介護1以上の認知症診断がある方。原則、その市区町村の住民(※6) | 少人数(1ユニット9名以下)での認知症専門ケア | 施設・地域で幅が大きく公的統計なし。入居前に各施設へ要確認(※4) | 認知症があり、地域で生活を続けたい方 |
表の注記
※1 特養の入居条件「原則、要介護3以上・65歳以上」:出典=介護保険法施行規則第17条の9、厚労省「介護保険制度の概要」令和7年7月時点。なお、40〜64歳でも介護保険法第7条・第9条に定める特定疾病(末期がん・関節リウマチ・若年性認知症・パーキンソン病関連疾患など16種。出典:介護保険法施行令第二条、厚労省「特定疾病の選定基準の考え方」)がある場合は介護保険の対象となり、入居対象になりうるため、詳細はケアマネや市区町村窓口にご確認ください。また、原則は要介護3以上ですが、要介護1・2の方でも認知症や家族の事情などやむを得ない事情がある場合は「特例入所」が認められることがあります(出典:厚生労働省。該当可否は市区町村・施設にご確認ください)。
※2 特養の費用(多床室 約11万円/ユニット型個室 約15万円):要介護5・自己負担1割・施設サービス費+居住費+食費+日常生活費の合計目安。補足給付(特定入所者介護サービス費)の適用前。自己負担割合は所得により2〜3割になる場合があります。出典:介護サービス情報公表システム「介護サービスにかかる利用料」(厚労省)。
※3 介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホームの定義:老人福祉法第29条の有料老人ホームのうち「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたものが「介護付き」、そうでないものが「住宅型」。出典:厚労省「高齢者向け住まいについて」/介護サービス情報公表システム。
※4 民間施設の費用:介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サ高住・グループホームの月額および初期費用は、公的な一律統計が存在しません。施設・地域・居室タイプによって幅が大きいため、各施設に直接お問い合わせのうえ確認してください。
※5 サ高住の定義:高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)に基づき2011年創設。床面積原則25㎡以上・バリアフリー・安否確認/生活相談サービスが必須。出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅について」。
※6 グループホームの入居条件:認知症の診断がある方(介護予防グループホームは要支援2のみ。要支援1は対象外)が対象で、原則その市区町村の住民であることが要件(地域密着型)。入居時に主治医の診断書等で認知症の確認が行われます。出典:介護保険法第8条、指定地域密着型サービス基準第89条・第94条。
「向いている人の例」はあくまでも一般論です。親御さんの状況に合う施設かどうかの個別判断は、地域包括支援センターやケアマネジャーと一緒に行ってください。
老人ホームの費用の目安と内訳
初期費用(入居一時金)と月額費用の2本立てで考える
施設入居にかかる費用は大きく「初期費用」と「月額費用」に分かれます。
初期費用(入居一時金)は、入居時に一括で支払う費用で、0円の施設から数百万円の施設まで幅があります。特養は原則0円です。民間施設では「0円だが月額が高め」「初期費用を払う代わりに月額が抑えられる」など設計が異なります。
月額費用は、施設サービス費(介護保険の自己負担分)+居住費+食費+日常生活費などが積み上がります。公的データで目安が示されているのは特養のみで、要介護5・自己負担1割の場合、多床室で約11万円、ユニット型個室で約15万円が目安です(補足給付の適用前。出典:介護サービス情報公表システム)。民間施設については、公的な平均統計が存在しないため、各施設に直接確認が必要です。
費用が変わる主な要因
- 要介護度:住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で外部の介護サービスを使う場合は、在宅と同じ「区分支給限度額」の範囲内で利用します。要介護度ごとの上限額は、ケアマネジャーや市区町村の窓口で確認できます。自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)です。
- 居室タイプ:ユニット型個室・従来型多床室などで費用が異なります
- 立地・地域:都市部と地方では同じタイプでも費用が大きく変わります
- 医療対応の有無:医療連携が手厚い施設ほど費用が高くなる傾向があります
- 月額以外の追加費用:おむつ代・レクリエーション費・医療費などが別途かかる施設もあります。入居前に必ず確認を
費用を抑える公的制度
費用負担を軽減する公的制度が2つあります。いずれも自動的には適用されず、申請が必要です。詳細な受給可否・金額は市区町村の窓口や地域包括支援センターにご確認ください。
- 高額介護サービス費(介護保険法第51条):1か月の介護サービスの自己負担額が、所得区分ごとに定められた上限を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。住民税課税世帯のうち課税所得が一定未満の世帯の月額上限は44,400円で、課税所得が高い世帯ほど上限が高くなります(課税所得380万〜690万円未満は93,000円、690万円以上は140,100円。2026年10月時点。出典:介護保険法施行令第22条の2の2〈e-Gov法令〉)。
- 特定入所者介護サービス費(補足給付)(介護保険法第51条の3):所得・資産が一定の要件を下回る方を対象に、特養などへの施設入所時の食費・居住費の自己負担を軽減する制度です。要申請。窓口は住所地の市区町村です(出典:厚労省・介護保険制度の概要)。
費用制度の適用条件は年度ごとに改定される可能性があります。最新の情報は、お住まいの市区町村窓口または地域包括支援センターにお問い合わせください。
いつ動き始める? 探し始めてから入居までの流れ
動き始めるサインの例
「まだ元気だから施設は早い」と思う方も多いですが、いざ必要になってから動き出すと、情報収集や手続きに時間がかかります。以下のようなサインが見えてきたとき、情報収集を始める目安になるかもしれません。ただし、「このサインがあれば即入居」ということではなく、どう動くかの最終判断は本人・家族・ケアマネジャーで一緒に行ってください。
- 在宅介護での家族の負担が増し、夜間対応などがつらくなってきた
- 親の入院・退院が決まり、自宅に戻ることが難しい状況になった
- 認知症の進行で、一人暮らしが心配になってきた
- 親本人が「施設も考えたい」と口にするようになった
- 特養の待機期間が長いことを知り、早めに申し込んでおきたい
特に特養は申し込み後の待機期間が長くなりやすいため、「今すぐではないが将来的に」と考えている場合でも、早めに情報収集・相談だけ始めておく選択肢もあります。
探し始めてから入居までの一般的な流れ
- 地域包括支援センター/ケアマネに相談(要介護認定の状況確認・施設タイプの整理)
- 希望条件の整理(エリア・予算・介護体制・親の意向・医療対応の必要性)
- 情報収集(紹介サービス・ポータルサイト・自治体の施設リスト)
- 候補施設の資料請求・問い合わせ
- 見学(できれば複数施設・本人同行が理想)
- 申し込み・面談・審査・契約
- 入居
情報収集から入居まで、数週間〜数か月かかることが一般的です。特養は待機があるため、さらに長期化するケースもあります。
遠方に住む子世代ができること
- 紹介サービスのオンライン面談・資料請求を活用して事前情報を整理する
- 帰省のタイミングに合わせて見学をまとめて行う
- 親の居住地(申請窓口)の地域包括支援センターに電話で相談しておく
- 要介護認定の状況・かかりつけ医の情報を親と共有しておく
- 兄弟姉妹がいる場合は、情報収集・見学・契約など役割を分担する
施設への申し込みは各施設へ直接行うのが基本です(特養など公的施設では、自治体が申し込み窓口を一本化している場合もあります)。一方、要介護認定の申請は親御さんの住所地の市区町村が窓口です。遠方からでも郵送やオンラインで対応している施設・相談窓口も増えています。
老人ホームの探し方と無料紹介サービスの使い方
自分で探す方法
施設を探すには複数のルートがあります。
- 地域包括支援センター・市区町村の窓口:地域の施設リストや探し方を案内してもらえます(個別の空き状況は各施設へご確認ください)。無料で相談でき、まず最初に頼りたい公的な入口です。
- 介護サービス情報公表システム(厚労省):全国の介護事業者の情報を都道府県別に検索できる公式データベースです(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)。
- 施設の公式ウェブサイト・パンフレット:費用・設備・スタッフ体制などを直接確認できます。
無料紹介サービスとは? 仕組みとメリット・注意点
「老人ホーム紹介サービス」と呼ばれる無料の相談・紹介サービスを提供している事業者があります。条件に合う施設の提案・空き状況の確認・見学の調整まで代行してくれるため、情報収集の効率が上がります。
なぜ無料なのか? 利用者が施設に入居した際、施設側が紹介料を支払う仕組みのため、利用者本人は費用を負担しません。
利用時の注意点:
- 紹介料が発生する施設しか提案されない場合があります。提携していない施設は候補に上がりにくいことを念頭に置いてください。
- 「この施設が最善」という判断は、自分で見学して最終的に行うことが大切です。
- 複数の紹介サービスを比較し、条件を明確に伝えることで、より自分の状況に合った提案を受けやすくなります。
紹介サービスは情報収集の「一手段」として活用し、最終的な判断は必ず自分で見学・確認のうえで行ってください。
老人ホーム紹介サービス「いい介護」は、全国の老人ホーム・介護施設を無料で検索・相談でき、資料請求や見学予約にも対応しています(施設側が紹介料を負担する仕組みのため、利用者は無料です)。
紹介サービスを使うときのチェックリスト
- 対応エリア・希望する施設タイプを最初に明確に伝える
- 費用の上限・月額の目安を事前に伝える
- 複数の紹介サービスを試して候補を比較する
- しつこい勧誘がないかを確認する(断りやすい雰囲気か)
- 最終判断は必ず自分・家族で。紹介サービスのおすすめだけで決めない
施設選びで後悔しやすい点
国民生活センターや消費者庁に寄せられた相談事例から、施設選びで気をつけるべきトラブルを紹介します。いずれも、入居前の確認と記録が大切なポイントです。
①退去時・原状回復費のトラブル
入居中に壁や床が汚れた場合、退去時に「原状回復費」を請求されるケースがあります。ただし、通常の使用による損耗(経年劣化)は入居者が費用を負担する必要はありません。トラブルを避けるため、入居時に室内の状態を写真等で記録しておくことが有効です。
出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第531号(2025年12月18日)
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen531.html
②身元保証・終身サポート等の預託型契約トラブル
身元保証や終身サポートサービスと称して、まとまった金額を「預託」する形式の契約に関するトラブルが相談されています。解約時に返金されなかった、条件と異なるといった事例が見られます。契約前に料金体系・解約条件・返金の可否を文書で確認することが重要です。
出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第511号(2025年5月29日)
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen511.html
消費者庁「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」
③「老人ホーム入居権」詐欺
「老人ホームの入居権を譲ってほしい」などと持ちかけて金銭をだまし取る電話勧誘が、詐欺の手口として報告されています。少しでも不審に感じたら、その場で判断せず、まず家族や最寄りの消費生活センター・警察にご相談ください。
出典:国民生活センター(2022年12月7日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221207_1.html
入居前に「一般に指摘される」確認事項
トラブルとは別に、施設選びを振り返って「もっと確認しておけばよかった」と感じやすい点として、一般的に以下が挙げられます。
- 見学は1施設だけで決めない:複数施設を比較することで、雰囲気・スタッフの対応・設備の違いが見えてきます
- 月額以外の費用を確認する:おむつ代・医療費・イベント費など、月額とは別に請求される費用があります。入居前に内訳を確認しましょう
- 介護体制・看取り対応を確認する:入居後に介護度が上がった場合の対応、看取りができる施設かどうかを確認しておくと安心です
- 本人の意向を丁寧に聞く:どの施設を選ぶかは、できる限り親本人の希望を優先することが、入居後の満足度につながります
- 住み替えを想定しておく:入居後に介護度が大きく変わった場合、退去・住み替えが必要になることもあります。施設のルールを事前に確認しておきましょう
在宅介護という選択肢も一緒に考える
施設入居だけが選択肢ではありません。在宅で暮らしながら訪問介護・デイサービスなどを組み合わせる「在宅介護」も、重要な選択肢のひとつです。特養の待機が長い場合や、「まだ在宅でいけそうだが不安」という段階では、在宅サービスを活用しながら施設入居の準備を並行して進めることもできます。
介護保険外のサービス(買い物代行・家事支援・外出付き添いなど)を上手に組み合わせることで、家族の負担を減らしながら在宅生活を継続する方も増えています。在宅介護と保険外サービスの選択肢については、こちらの記事で詳しくまとめています。
また、施設入居を検討する前に「在宅のうちに見守りを強化したい」という方は、以下の記事も参考にしてください。
→ 【2026年最新】高齢者見守りサービスおすすめ12社比較
よくある質問(FAQ)
Q1. 親の老人ホーム、いつから探し始めればいいですか?
「まだ早い」と感じるうちに情報収集だけでも始めておくことをおすすめします。特養は申し込み後の待機期間が長くなることが多いため、早めに地域包括支援センターへ相談しておくと、実際に必要になったときに動きやすくなります。「動き始めるサインの例」として、在宅介護の負担増・退院のタイミング・認知症の進行・親本人の希望などが目安になります。ただし「このサインが出たら即入居」ではなく、判断は本人・家族・ケアマネジャーで一緒に行ってください。
Q2. 特養と有料老人ホームの違いは何ですか?
特養(特別養護老人ホーム)は公的な施設で、費用が抑えやすい一方、原則「要介護3以上・65歳以上」という入居条件があります(介護保険法上の特定疾病がある40〜64歳の方も対象になりうる場合があります)。民間の有料老人ホームは入居条件が比較的柔軟ですが、費用は施設・地域によって幅が大きく、公的な一律統計がないため入居前に各施設へ確認が必要です。本文中の比較表も参考にしてください。
Q3. 費用はどのくらいかかりますか?
公的データで目安が示されているのは特養のみで、要介護5・自己負担1割の場合は多床室で月約11万円、ユニット型個室で月約15万円が目安です(補足給付の適用前。出典:介護サービス情報公表システム)。民間施設(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サ高住・グループホーム)については公的な一律統計が存在しないため、各施設へ直接お問い合わせください。また費用を軽減する公的制度(高額介護サービス費・補足給付)もありますので、市区町村の窓口にご相談ください。
Q4. 老人ホームの紹介サービスはなぜ無料なのですか?
施設に入居が決まった際に、施設側が紹介料を支払う仕組みになっているため、利用者本人は費用を負担しません。ただし、紹介料のある施設が優先的に案内される場合があります。紹介サービスは情報収集の一手段として活用し、最終的な判断は必ず自分で見学・確認のうえで行うことが大切です。
Q5. 遠方に住んでいても親の施設を探せますか?
はい、可能です。老人ホーム紹介サービスはオンライン面談や電話相談に対応しているところが多く、遠方からでも情報収集を進められます。ただし、施設への申し込みは各施設へ直接(特養などは自治体が窓口を一本化している場合もあります)、要介護認定の申請は親御さんの住所地の市区町村が窓口です。帰省に合わせて複数施設をまとめて見学する、兄弟姉妹と役割を分担するなど、計画的に進めると効率よく動けます。
まとめ:老人ホーム選びは「情報収集」から始まる
老人ホーム・介護施設の選び方を整理しました。
- 施設タイプは大きく「特養(公的)」「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サ高住」「グループホーム(民間)」の5種類
- 費用は公的統計がある特養以外、施設・地域によって大きく異なる。月額以外の追加費用も必ず確認を
- 費用を抑える公的制度(高額介護サービス費・補足給付)は申請が必要。窓口は市区町村
- 「動き始めるサイン」が見えてきたら情報収集を。特養は待機があるため早めの相談を
- 紹介サービスは情報収集の一手段。最終判断は必ず自分で見学して
まず「地域包括支援センター」に相談しましょう
施設の種類・費用軽減制度など、地域の実情を踏まえた情報を無料で案内してもらえます(個別の空き状況は各施設へご確認ください)。「今すぐではないが将来的に備えたい」という段階での相談も歓迎されています。お住まいの市区町村にお問い合わせください。
施設入居を検討する際、実家が空くタイミングの片付け・生前整理について気になっている方はこちらも参考にしてください。
また、入居費用の原資として実家の売却を検討される方はこちらもご覧ください。
介護・終活を考える中で「相続」についても整理したい方は、次の記事もあわせてどうぞ。
