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離れて暮らす高齢の親の運転が、少しずつ心配になっていませんか。「そろそろ運転免許を返納してほしい」と思っても、本人のプライドや毎日の買い物・通院の足を考えると、なかなか切り出せないものですよね。この記事では、親の運転免許の返納を説得するときの伝え方のコツから、自主返納の手続き、運転経歴証明書、返納後の移動と見守りの備えまで、警察庁などの公的な情報をもとに整理しました。頭ごなしに取り上げるのではなく、親の気持ちに寄り添いながら進めるためのヒントとしてお役立てください。
親の運転が心配でも、運転免許の返納を切り出せない理由
親に運転免許の返納を説得したいと思いながら言い出せないのは、ごく自然なことです。車は本人にとって長年の生活そのものであり、買い物・通院・趣味の移動を支えてきた「自立の象徴」でもあります。「まだ大丈夫」という気持ちも強く、心配のあまり頭ごなしに「もう運転はやめて」と言ってしまうと、かえって反発を招きやすくなります。
警察庁は、運転免許が不要になった方や、加齢に伴う身体機能の低下等のため運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方は、運転免許証を自主的に返納できるとしています。まずは「返納させる」ではなく、「一緒に考える」という姿勢で向き合うことが、親の運転免許の返納を前に進める第一歩になります。
親の運転免許の返納を説得するコツ|責めずに対話する
説得というと一方的に説き伏せるイメージがありますが、むしろ「対話」として時間をかけるほうがうまくいきやすいものです。ここでは、親の運転免許の返納を切り出すときに意識したい4つのポイントを紹介します。
「心配している」を自分を主語にして伝える
「危ないからやめて」と相手を責める言い方ではなく、「私が心配なんだ」と自分の気持ちを主語にして伝えると、角が立ちにくくなります。孫の存在を引き合いに「孫も気にしている」と添えるのも、本人が受け止めやすい伝え方のひとつです。
運転以外の移動手段とセットで提案する
返納をためらう最大の理由は「足がなくなる」不安です。「返納して」だけでは不安が残るため、コミュニティバス・タクシー・家族の送迎・買い物や通院の代替手段など、返納後の移動を一緒に具体的に考えると、本人も現実的に検討しやすくなります。
かかりつけ医や相談窓口など第三者の力を借りる
家族の言葉だけでは届かないときは、かかりつけ医や地域の相談窓口など、第三者から話してもらうのも有効です。信頼している人からの助言は、家族からの説得よりすんなり受け入れられることがあります。
一度で決めず、段階的に進める
いきなり返納を迫るのではなく、「夜間や高速道路の運転をやめる」「日中の近所だけにする」といった段階を踏むと、本人も納得しながら進めやすくなります。親の運転免許の返納は、一度の話し合いで結論を出そうとせず、何度かに分けて対話を重ねる心づもりでいると、無理がありません。
運転免許の自主返納の手続きの進め方
親が返納に前向きになったら、次は自主返納(申請による運転免許の取消し)の手続きです。手続きは、お住まいの地域の警察署や運転免許センター(運転免許試験場)で行えます。ただし、警察庁は、運転免許の停止・取消しの行政処分中の方や、その基準に該当する方等は自主返納できないとしています。
申請場所や受付時間、申請に必要な書類、要件等の詳細は、各都道府県警察の運転免許センター等に問い合わせるよう警察庁が案内しています。地域によって受付窓口や必要なものが異なるため、出向く前に電話やお住まいの都道府県警のサイトで確認しておくと安心です。遠方で親が一人で行くのが難しい場合は、帰省に合わせて付き添う計画を立てておくとよいでしょう。
| 項目 | 内容(警察庁の案内) |
|---|---|
| 手続きできる場所 | 警察署・運転免許センター(運転免許試験場)など |
| 対象 | 運転に不安を感じる高齢ドライバー等。行政処分中の方等は返納不可 |
| 必要な書類・手数料 | 各都道府県警の運転免許センター等に要問い合わせ(地域で異なる) |
| 返納のタイミング | 更新前でも可。75歳以上は更新時の検査(後述)も踏まえて検討 |
| 返納後に申請できるもの | 運転経歴証明書(本人確認書類として利用可) |
運転経歴証明書とは|返納後の身分証にもなる
返納で心配になるのが「身分証明書がなくなること」ですが、運転経歴証明書を申請すれば、その不安はやわらぎます。警察庁によると、運転免許証を自主返納した方や、更新を受けずに失効した方は、運転経歴証明書の交付を受けることができます。平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用できるとされています。
ただし注意点もあります。自主返納後5年以上、または運転免許失効後5年以上が経過している方や、交通違反等により免許取消しとなった方等は、運転経歴証明書の交付を受けることができません。返納後に身分証として使いたい場合は、早めに申請しておくと安心です。申請方法や手数料は地域で異なるため、返納手続きと合わせて窓口で確認しましょう。
免許返納の特典は自治体ごとに異なる
運転免許を返納した高齢者に向けて、警察庁は「自治体や事業者等による様々な支援が行われています」としています。バスやタクシーの割引、商店や金融機関でのサービスなど、内容は地域によってさまざまです。
ただし、特典の中身・対象・申込方法は自治体や事業者ごとに大きく異なります。「この特典があるから」と話すときは、具体的な内容をうのみにせず、必ずお住まいの自治体や都道府県警のサイトで最新の一覧を確認してください。特典を「返納の理由」ではなく「返納を後押しする材料のひとつ」として伝えると、本人も前向きに受け止めやすくなります。
75歳以上の親は更新時の検査も確認を|認知機能検査・運転技能検査
返納を考える時期は、運転免許の更新のタイミングと重なることがよくあります。75歳以上の親の場合、更新時に受ける検査の仕組みも知っておくと、話し合いの材料になります。
認知機能検査
警察庁によると、免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上の方が免許証を更新するためには、普段の運転頻度にかかわらず認知機能検査を受けていなければなりません。この検査は、受けた方の認知症のおそれの有無を簡易な手法で確認するものです。「認知症のおそれがある」と判定された方は、公安委員会(警察)の通知により専門医の診断等を受けることになり、診断の結果によっては、所定の手続を経たうえで運転免許の取消し等がなされることがあります。
運転技能検査
令和2年改正道路交通法(2022年5月13日施行)により、75歳以上で、過去3年間に信号無視等の一定の違反歴がある方は、運転技能検査に合格しなければ運転免許証の更新を受けることができなくなりました。更新のたびにこうした検査があることを親と共有しておくと、「無理に続けるより、元気なうちに考えよう」という対話につなげやすくなります。
返納しない選択肢|サポートカー限定免許も知っておく
運転免許の返納だけが答えではありません。警察庁は、運転に不安を感じる高齢運転者等に向けて、中間的な選択肢も用意しています。そのひとつがサポートカー限定免許です。申請により、より安全な車(サポートカー)に限って運転することができる限定条件を、普通免許に付けることができます。
「まだ運転をやめたくない」という親には、いきなり返納を迫るのではなく、こうした選択肢も中立に紹介したうえで、本人に選んでもらうとよいでしょう。返納・限定免許・継続のどれを選ぶにしても、「家族が一方的に決めた」ではなく「本人が納得して選んだ」という形にすることが、その後の関係にも大切です。
返納後の「足」と見守りをどう備えるか
返納後に大切なのは、移動手段と、離れて暮らす家族が親の様子に気づける仕組みづくりです。移動はコミュニティバス・タクシー券・家族の送迎・買い物や通院の代替サービスなどを組み合わせて確保します。あわせて、外出や毎日の暮らしをさりげなく見守れる備えも考えておくと安心です。
離れて暮らす親の見守りには、センサーやカメラ、GPSなどさまざまな方法があります。タイプ別の選び方や費用は親の見守りサービス比較13社|1年の総額とタイプ別の選び方で詳しく整理しています。外出時の居場所が心配な場合は認知症の親にGPSを持たせたい——徘徊対策と選び方も参考になります。日々の連絡手段を見直すなら、見守り機能で選ぶシニアスマホおすすめ比較もあわせてご覧ください。
まとめ|親の運転免許の返納は「説得」より「対話」と準備から
親の運転免許の返納は、家族にとっても本人にとっても大きな決断です。だからこそ、頭ごなしの説得ではなく、心配している気持ちを自分の言葉で伝え、返納後の足とセットで一緒に考えることが、無理のない進め方です。手続きは警察署や運転免許センターで行え、運転経歴証明書を申請すれば本人確認書類として使えます。特典は自治体ごとに異なるので、必ず最新の情報を確認しましょう。返納後の暮らしを支える見守りの準備も、早めに始めておくと安心です。
次に読む:返納後の暮らしを支える見守りの選び方は親の見守りサービス比較13社でまとめています。
よくある質問
Q. 親が運転免許の返納を嫌がります。どう説得すればいいですか?
A. 「危ない」と責めるより、「私が心配だ」と自分を主語にして気持ちを伝えるのがコツです。返納後の移動手段を一緒に考え、かかりつけ医など第三者の力も借りながら、一度で決めず段階的に話し合うと前に進みやすくなります。
Q. 運転免許の自主返納はどこで手続きできますか?必要なものは?
A. 警察署や運転免許センター(運転免許試験場)で手続きできます。申請場所・受付時間・必要書類・要件は地域で異なるため、各都道府県警察の運転免許センター等に事前に確認するよう警察庁が案内しています。
Q. 返納すると身分証がなくなりませんか?
A. 運転経歴証明書を申請すれば、平成24年4月1日以降に交付されたものは運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用できます。ただし返納後5年以上経過すると交付を受けられないため、早めの申請が安心です。
Q. 免許返納にはどんな特典がありますか?
A. 警察庁は自治体や事業者等による様々な支援が行われているとしています。バス・タクシーの割引などが例ですが、内容は地域で大きく異なるため、お住まいの自治体や都道府県警のサイトで最新の一覧を確認してください。
Q. 返納後の移動手段や外出の見守りはどうすればいいですか?
A. コミュニティバスやタクシー券、家族の送迎、買い物・通院の代替サービスを組み合わせて確保します。あわせてGPSや見守りサービスを備えると、離れて暮らす家族も外出時の様子に気づきやすくなります。
